近代日本美術の理論的指導者であり、近代思想史の上でも特異な位置を占める岡倉天心の生涯は、激動する明治の日本そのままに波瀾に富んだものであった。フェノロサとの日本美術の発見・保護、東京美術学校の創設、横山大観・菱田春草等をして新日本画運動や日本美術院の設立をなし、他方、ボストン美術館の東洋部長をつとめ、『東洋の理想』『茶の本』等の英文著作によって東洋文化を欧米に紹介すると同時に、アジアの置かれた現状からの目覚めと理想を叫んだ先覚でもあり、その活躍は多岐に渡る。天心の評伝の先駆をなす本書は、昭和二十年一月に刊行、大半が災火に消えた幻の書で、天心研究の基本書であるが故に復刊を試みた。
商品コード:AC674
出版社:中央公論美術出版
著者:清見陸郎
A5ソフトカバー
364ページ
ISBN:978-4-8055-1228-9
本体価格:5,400
円
販売価格(10%税込):5,940
円