鉄幹主宰の「明星」は旧派和歌を否定し、短歌の革新を遂げ、近代短歌史上大きな役割を果たした。晶子、登美子、雅子、梅渓、啄木等若い歌人たちの綴る歌と恋に寄せる情熱には、伝統の呪縛からの脱逃と、自由で新鮮なものへの憧れがあった。鉄幹のもとに集まる女流歌人の愛と友情が錯綜し、それはそのまま「歌」となって表現された。百号をもって終刊となったが「明星」の歌はきざで甘美なものとして反目をかう反面、自由な若さの象徴として人々の関心を集め、新時代への分岐点となった。若い歌人たちの心の動きと時代の変遷を浮き彫りにした興趣ある書。
商品コード:AF091
出版社:KADOKAWA
著者:尾崎左永子
四六判ソフトカバー
298ページ
ISBN:978-4-04-622050-9
本体価格:3,300
円
販売価格(10%税込):3,630
円