三重県埋蔵文化財調査報告413
今回の発掘調査は、標高4.6〜6m程度の金沢川下流沖積地に立地し、金沢川遺跡付近まで入り江であったとみられている所で複数の遺跡を対象に行われた。
深田古墳群は、造出をもつ方墳である1号墳、周溝内埋葬を伴う2号墳、方墳である3号墳で構成され、5世紀末〜6世紀初頭を契機に築造された。1号墳は周溝から多数の埴輪が出土した。
深田遺跡・中島遺跡・双ツ塚遺跡では、弥生時代終末〜古墳時代初頭の集落を確認した。当時の微高地に居住域が認められ、微地形にあわせて土地利用をしていた様子がうかがえる。古墳時代後期もほぼ同じ範囲で集落が形成された。
金沢川遺跡では、古墳時代後期の土壙墓、古代の溝・土坑・柱穴などを確認した。大型食器や硯、鉄滓出土もあり、南側台地上に、公的機関にかかる港湾施設と想定される天王遺跡が所在し、天王遺跡との関連が考えられる。
双ツ塚西方遺跡は、微凹地で古代とみられる溝を確認した。出土遺物は、犬形土製品、薬莢が特筆される。
商品コード:AL442
出版社:三重県
著者:三重県埋蔵文化財センター
A4ソフトカバー
370ページ
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本体価格:3,050
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販売価格(10%税込):3,355
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